NPOの運営に関するQ&A

【第三者への責任】

スタッフが交通事故を起こしてしまいました。団体は責任を負いますか?

交通事故を起こしてしまったスタッフが被害者に対して損害賠償責任を負うことは当然ですが、交通事故が団体の活動に関連して生じた場合には、団体も同様に損害賠償の責任を負う場合があります。この場合の団体の責任を使用者責任(民法715条)といいます。      
使用者責任とは、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」(民法715条)というものです。
つまり、人を使って事業をしている者は、その被用者が事故などで不法行為責任を負う場合に、団体も責任を負う場合があるということです。 ここでいう「事業」とは、非営利の事業も含まれ、また一時的な活動も含まれます。また、「他人を使用する」という使用関係は、事実上の指揮監督の関係があれば足り、契約関係がある場合に限らず、契約関係がない場合(例えば、ボランティアなど)も含まれます。

イベントを計画していましたが、予算が足りず中止しました。寄付金で準備をしていたものがありますが、無駄になってしまいます。寄付してくれた方に責任は負いますか?

寄付金をどのように利用するかについては、寄付の目的や意図、その使途など、寄付者との間の取り決めによって異なってきます。また、寄付金を集めるときにどのような説明をして、寄付金を集めたかによります。
寄付を受ける際、一定の団体の出捐や義務を伴う場合があります。このような、贈与に負担が付いているものを、負担付贈与(民法553条)といいます。例えば、寄付をすること条件として、あるイベントを実施するなどという場合が考えられます。 寄付が負担付贈与と評価される場合、団体は寄付者に対して、債務不履行責任(民法415条)を負うこともあります。
また、虚偽の説明をした場合や、見通しが不十分なまま寄付を集めたりした場合などは、不法行為責任(民法709条、民法715条等)を負う場合もあります。
そのため、団体としては、寄付金等を受領するにあたっては、寄付者との間で、当該寄付の目的や使途、寄付金を使っての事業の見通し等を十分に説明することが求められます。
事前に寄付金等の取扱規程を設けるなどして必要な事項を定めることで、寄付金等の取扱方針等が明確になり、紛争を防止することにもつながります。

ボランティアの方が起こした事故や不祥事について、団体も責任を負うのでしょうか?

ボランティアの方が事故や不祥事を起こした場合、本人は民事責任、刑事責任を負う可能性があることはもちろん、団体が使用者責任を問われることも考えられます。団体が使用者責任を負うかどうかは具体的な事案により、すべての事案において必ず団体に法的責任が及ぶというものではありませんが、そのような場合であっても、起きてしまった事故や不祥事の解決に努めることが社会的責任として求められます。
ボランティア保険も普及していますので、活用の検討もすべきでしょう。

代表理事が、講演会で他人を中傷する発言をしてしまいました。団体は責任を負いますか?

代表理事の発言が特定個人のプライバシーや名誉を毀損していれば、当該代表理事は不法行為責任(民法709条)を負います。      
不法行為責任が認められるものがNPO法人の代表理事である場合には、NPO法人等の団体が、代表理事が職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負います(NPO法8条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律78条)ので、NPO法人等の団体が責任を負うこともあります。