NPOのための弁護士ネットワーク事務局です。
当ネットワークでは、2013年からNPO理事・職員、中間支援団体、士業などの専門家、NPOとの 協働に興味のある企業、プロボノなどの多様な立場の方々と共に、NPOの運営に関する法的課題とその解決方法の検討や、事例・書式等の共有を目的とした勉強会を定期的に開催しています。

「ビジネスと人権」がホットなトピックになっています。

昨年10月、日本国政府は「『ビジネスと人権』に関する行動計画」(NAP)を策定し、今後の政府の取り組みのほか、企業に対し、企業活動における人権への特定、予防・軽減、対処、情報共有を行うこと、人権デューディリジェンスの導入促進への期待を表明しました。

国際的な潮流が背景にあります。

2011年に国連人権理事会にて承認された「ビジネスと人権の指導原則」に端を発し、2015年英国「現代奴隷法」(サプライチェーンにおける強制労働等の有無・リスクの確認と開示を義務付けるもの)、2017年「フランス人権デューディリジェンス法」(企業に対し、人権侵害リスクの特定・回避を目的としたデューディリジェンスの実施を義務付けるもの)といったルール・規制を整備する動きがあります。また、SA8000(人権・労働環境に関する米国NGO策定の基準)のような、基準策定の動きがあります。

これらは、人権に配慮する一定のルール・規制・基準を設け、それに対する市民的監視や経済的インセンティブを設計することで、人権に配慮した事業活動を促進させようとする動きといえます。

このように「人権」は、日本の企業にとっても、無視できないテーマとなってきています。「環境」などと並んで、CSR報告書のテーマの1つとして扱われるのが当たり前になっていくかもしれません。

こうした中で、そうした企業と協働して仕組みをデザインする、あるいは市民社会の立場から監視・批判するという役割が、NPOにも期待されています。

そこで、今回は、ビジネスと人権に詳しい佐藤暁子弁護士(ことのは法律事務所)にお越しいただき、ビジネスと人権の基本コンセプトや、SDGsとの関係、日本や各国の潮流、そして、それをNPOが活用していく可能性、また具体的な事例についてお話頂きます。

質疑応答では、参加される方から、コンセプトへの質問や、団体の活動との関係などの実際についてもお話頂きながら、ディスカッションをできればと考えています。

「ビジネスと人権」というコンセプトを知らないという方でも、きっと新たな視点・アイディアが得られると思いますし、事業者との新たな接点を見つける助けになると思います。知ってはいるけれども具体的な活かしきれていないと感じている方、また、「ビジネスと人権」を活かしているけれども最新の動向も踏まえて再度考えてみたいという方も、奮ってご参加ください。

NPO関係者のほか、ファンドレイザーやファンドレイザーを目指す方にも是非ご参加いただければ幸いです。

なお、今回も引き続きオンライン(zoom)での開催となります。接続方法等はメールにてご案内いたします。

詳細は以下の案内をお読みいただき、下記申し込みフォームよりお申込みください。

申し込みフォーム
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日 時 2021年2月24日(水)18:30~20:00
場 所 オンライン会議(zoom)
参加費 無料
主 催 NPOのための弁護士ネットワーク
<スケジュール>
18:30 接続状況確認、開催挨拶
18:35 「 ビジネスと人権をNPOはどう活用するか 」    
発表者 弁護士佐藤暁子(ことのは法律事務所)
19:50 質疑応答

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発表者プロフィール:

弁護士佐藤暁子(ことのは法律事務所
上智大学法学部国際関係法学科、一橋大学法科大学院卒業。International Institute of Social Studies(オランダ・ハーグ)開発学修士号(人権専攻)。
2010年、名古屋大学日本法教育研究センター在カンボジアにて日本法の非常勤講師。2017年、バンコクにある国連開発計画アジア・太平洋地域事務所にてビジネスと人権プロジェクトに従事。人権デューディリジェンスに関するアドバイスや東南アジアにおけるステークホルダー・エンゲージメントのコーディネーターなど、ビジネスと人権の実践に関するアドバイスを行う。
日弁連国際室嘱託、同国際人権問題委員会幹事。認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ事務局次長・ビジネスと人権プロジェクト担当。国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター日本プログラムコーディネーター。